アート オブ ミレジム
クリードでは、自社のフレグランスを「ミレジム」クオリティと呼びます。
この「ミレジム」という言葉はワインの世界に由来し、フランス語で「優れたヴィンテージ」を意味します。
ワイン業界において、ヴィンテージワインとは特定の年と産地から生まれた極めて高品質のワインを指します。
私たちのミレジム フレグランスは、上質な天然原料を用いてブレンドされています。
フランス フォンテーヌブロー近郊の職人工房で原料の計量、調合、熟成まですべて手作業で行われています。
このプロセスは労力を要しますが、芸術性と完璧さを追求するために
クリードは貫き続けています。
私たちのシグネチャー香料
クリードは、天然精油を豊富に含む上質な原料だけを香水づくりに用いることを誇りとしています。
天然精油を多く含むフレグランスの魅力のひとつは、その品質は常に上質でありながら、収穫年ごとに香りのニュアンスが魅惑的に変わることです。
香水は、生きている存在のように、纏う人の個性に呼応して、時に予測できない表情を見せます。収穫されて花や植物は、日照時間や降雨量に応じて、わずかに異なる芳香を放ちます。
クリードのミレジムフレグランスは、同一のフォーミュラを忠実に守りながらも、ヴィンテージワインのように、その年ごとの個性が宿します。
これこそが、クリードの創作に息づく魔法のような神秘と洗練の源です。
クリードが用いる原料の多くは、香水の歴史において何千年もの間、尊ばれてきたものです。古代エジプトでは、クレオパトラやネフェルティティが蓮の花で戴冠し、古代ローマの宮殿は数千本のローズで埋め尽くされていました。ツタンカーメン王の黄金のマスクには、埋葬から三千年を経てもなお青色を帯びたヤグルマギクの花冠が見つかりました。
これらの貴重な植物は、近代香水の誕生以来、何百年にもわたって欠かせない存在でした。
クリードのフレグランスに使用される天然精油の産地は、香水の品質を左右する極めて重要な要素です。数千年の歴史のなかで、特定の国や地域、都市が、その土地ならではの気候や土壌条件によって、比類ない香料の産地として名声を得てきました。
インドのチュベローズ、ハイチとブルボンの島々からのベチバー、カラブリアのベルガモットはその代表例です。
さらに、プロヴァンスのラベンダー、エジプトのジャスミン、ブルガリアのローズ、スリランカのサンダルウッドは今も伝説的な香料として知られてます。これらすべて、クリードによって丹念に育まれ、慈しまれ、敬意をもって扱われています。
香水愛好家なら誰もが憧れる聖地、それがフランス グラース。地中海を見下ろす青い丘の上に佇むこの町は、かつて、世界の香水の都として栄え、今もなお特別な存在です。
グラースからは、ジャスミンや、クリード数々の名香のハートで鼓動する繊細なローズドメイが届けられています。
ローズの栽培には独自の言い伝えがあります。ローズは、他の香りに決して埋もれることはないと言われています。ローズの香りは400以上の異なる芳香分子を持つ比類なき存在です。
ローズ ド メイの収穫期は一年でわずか3週間、しかも朝露が乾いた後の数時間だけという儚さです。限られた数エーカーの畑で育まれる、その一輪一輪が贅沢の極みです。
世界が狭まり、需要が高まるなか、クリードは新たな栽培地の開発にも挑み続けています。
例えば、インドのマイソールからはエシカルな観点からサンダルウッドを調達することが極めて困難になったため、クリードは今後スリランカからサンダルウッドを輸入することになります。近年、オーストラリアでもこの伝説的な香木の森が植えられました。
南半球で育った天然サンダルウッドは、土壌や太陽、降水量といった自然条件の違いによって、アジア産とは驚くほど異なる香りを放ちます。
すべての偉大なパフューマーには、繰り返し手に取るお気に入りの香料があります。それは調香師の「サイン」とも呼べる存在です。
クリードにとって、それが古代の虹の女神にちなんで名付けられたイリスの花です。イリスは香りを安定させ、他の成分を引き立て、全体を豊かにする「香水の要」。
クリードはイリスの根であるオリスを使用していますが、香料として使用できるまで最大で6年の準備期間がかかることがあります。
植物の根茎が十分に成熟するまでに3年。収穫と乾燥プロセスに3年。
オリスは深みのあるセンシュアルな香りを持ち、土のような温もりとパウダリックな香りを帯び、ひとたび嗅げば忘れられない存在感を放ちます。
香水に用いられる数多くの植物や木々、ハーブや花々には、香りに大きな力と印象を与えるロマンスがあります。
香水に使われるオイルを挙げ、その産地を思い描くだけでも魔法のような魅力が広がります。植物の形や大きさ、生息地や色、そして香りまでもが心に浮かんできます。
それらは自然からの贈り物であり、時を超えて私たちを魅了し続ける、かけがえのない宝物なのです。